Arranger
02 霧の香勾引ふ /妖々跋扈〜 Who done it?/東方妖々夢
[Masayoshi Minoshima]
基本的に"感性”で曲を作るスタンスゆえに楽曲の解説というものが非常に苦手です。よって僕のコメントは作曲時に計算した部分をお伝えしていきます。
この曲はCメロに三澤さんの声質的に一番気持ちいい所を持っていきました。
その部分が映えるようにトラック及びフレーズを構成しています。
[三澤秋]
神隠しの曲。ゲームをプレイしていると忘れそうになりますが、妖怪が跋扈する世界の暗い一面てこういうものかしらと。
暗いとはいえ血みどろはあまり好みでないので、妖しさをメインに持ってきてみました。
ところでCメロとは、いわゆるサビのことです。
03 Eternal Rite /幽雅に咲かせ、墨染の桜 〜 Border of Life/東方妖々夢
[Tsukasa]
今回のCDの中では2番目に古い曲。私が作るボーカルアレンジは、サビが自作メロディである事が多いですが、これもその一つです。
[三澤秋]
円く優しい月あかりと、耳を澄ませば聞こえそうな少女たちの笑い声。実は歌詞の原案はつかささんです。少女たちが歌いはしゃぐ様子は、重なる世界がふと見えているだけか過去の幻影か。そう考えると少し切ない。 なぜか妙に人気のある曲。
04 Fallen Heaven /神さびた古戦場 〜 Suwa Foughten Field/東方風神録
[Tsukasa]
最初と最後が3/4、間が4/4という変拍子の曲です。メロディとコードも独特なので、かなり癖があります。
4/4に切り替わる時にスピード感が増すのが個人的に気に入ってます。
[三澤秋]
大変かっこいい曲ですよね。初めて曲をいただいたときの感動が忘れられません。なんとか釣り合う歌詞を、と夢中で作詞をした覚えがあります。
力強い歌い方に慣れていなくて悪戦苦闘しましたが、神様の苦悩みたいなものが少しでも表現できていればと思います。
05 宵風唄 /信仰は儚き人間の為に/東方風神録
[REDALiCE]
「いままでの総決算CD作るから新曲つくって!」とお願いされたわけですが、私に「まったりした曲」を依頼とは、三澤嬢やりおるな!おかげでとても新鮮な気持ちで曲を作ることができました。そして何気に曲名が日本語って初めてな気もする。
そんなわけできっといろいろと新しいREDALiCE+三澤の音をお届けできるんじゃないのかなと思うわけです。そしてゆくゆくは三澤さんにはっちゃけた電波曲を歌ってもらえるようにがんばります。
[三澤秋]
どうしても早苗さんの曲歌ってみたかったんです!「Forget-me-not」が綺麗だったので、赤さんこういうのもイケるんですね!とばかりに依頼した曲です。
赤さん特有のきらびやかな音はこういったスローな曲にも映えますね。
今後は逆に、私が赤さんに合うにぎやかな歌を歌えるようがんばります(笑)。
06 Forget-me-not /天空の花の都/東方妖々夢
[REDALiCE]
この曲をつくってからもう一年か、時がたつのは早いものでございます。私は基本4つ打ちばっかり作ってるのですが、この曲は珍しくドラムン風です。なぜドラムンにしたのかは憶えていないのですが、何かに影響された結果なのは間違いありません。この曲もそうなのですが、私が三澤さん用に曲を作ると何故か冬っぽい感じになります。名前は秋ですが、私は勝手に冬のイメージをもっているのでしょう。理由はよくわかりません。
ですので三澤さんが雪原の中、寒そうに震えてるのを想像しながら聞いていただけますと幸いです。
[三澤秋]
初めて聴いたとき、赤さんには珍しい寂しげな曲調でびっくりしました。もう1年も前ですか。赤さんの硬質な音は、テンポを落とすとこうなるのかーと新発見。たぶん誰の頭の中にも吹雪く雪原がイメージできますよね。
というかよりによって私がこごえてるイメージですか赤さん!
07 光の都 /千年幻想郷 〜 History of the Moon/東方永夜抄
[Tsukasa]
原曲にある日本的な雰囲気なメロディを壊さないよう、アレンジのメロディを作り上げていきました。三澤さんの歌声はこういう日本的なメロディに合いますね。
[三澤秋]
千年幻想郷ということで、永琳です。光の都は幻想郷。永遠の命を持つ彼女らにとって永い安らぎの地であると良いですね。
八意思兼神を祀った神社がたまたま近くにあったので、こっそりお参りしたりしましたねえ。こっそりですよ。
08 オニのようにかわいく
/東方萃夢想・Demystify Feast・少女綺想曲 〜Dream Battle/東方萃夢想・東方永夜抄
/東方萃夢想・Demystify Feast・少女綺想曲 〜Dream Battle/東方萃夢想・東方永夜抄
[D.watt]
IOSYSのアルバムでこの楽曲を作る時「今まで明るい曲を歌ったことがあまりなくて(笑)」なんて事を自分でおっしゃっていたのを思い出しますが、今となっては『オニかわ』をとても気に入って下さっており僕的にもとても好きな一曲です。また何かの折に三澤さんに歌って頂ければ・・なんて思ってたりもしますが是非このベスト盤で、改めてその歌声に聞きほれていただければと。
[三澤秋]
とにかくかわいい曲です。キラキラ光るかわいさとは違う、なんかこうぎゅーっと抱きしめたくなるような愛らしさ。歌詞もアレンジもやさしくてかわいくて、こんな空気を作るわっとさんの世界が好きだなーと思いながら歌わせていただきました。
09 Shinto Shrine /神社/東方怪綺談
[Masayoshi Minoshima]
収録時にサビのフレーズを急遽差し替えた曲。理由はキーが高すぎたから、という残念なもの。僕の三澤さん初起用時であったが為の事故です。結果相当な短時間で組上げたサビですが火事場のなんとやらで元々作っていた没フレーズよりもいいものになりました。
トラック部分は実は総勢3名の協力を経て完成しています。自分一人では完成しなかった曲。
[三澤秋]
みのしまさんと初めてタッグを組んだ曲です。たしかに高かったですねー。私はわりと声が高い方だと思うのですが、それでも無理でした…うう。
叙情的なピアノの響きで、夕暮れから夜に向かう情景が目に浮かびます。みのしまさんにはこれまで無いタイプの曲となったのではないでしょうか。
10 Nostalgia /ラストリモート/東方地霊殿
[Tsukasa]
三澤さんに歌ってもらうタイトル曲は、早いBPMが多かったため、遅いBPMにしようと思って作った曲です。序盤から入るシンセが音色、メロディ共にお気に入りです。
[三澤秋]
実は、つかささんとこれまで組んだ東方曲の中で一番のお気に入りです。つかささんが何気なく入れた波音のSEが、私のナニカのスイッチを入れてしまったらしく。
波→海→無意識の象徴→無意識を操るこいしにぴったりね!!という連想ゲームが脳内で行われました。さらに無意識→夢→胡蝶の夢と続きます。
幻想郷には海がありませんが、彼女らも総ての母と呼ばれる海を懐かしく思うのだろうか。
11 Voile, the Magic Library /ヴワル魔法図書館/東方紅魔郷
[Masayoshi Minoshima]
トラック自体は疾走感を出しましたが半分のBPMでも歌える、聞けるフレーズを狙って作っています。結果として拍にきっちり乗れる曲が出来たと思います。
[三澤秋]
みのしまさんが書かれているように、疾走感とかっちり乗れる安定感が共存していて、とても歌いやすいです。ライブでも何度となく歌わせていただいているので、時間が許せばこれも録り直したかったなーなんて思っていたり。
12 Blaze of Colors /東方妖恋談/東方夢時空
[Tsukasa]
新規提供曲です。Starlight Visionの手前に入るという事を事前に聴いていた為、対照的になるよう、激しい曲調でアレンジしてみました。サビの原曲メロディはかなり下の音程から入るため、弄るかどうか大分悩んだのですが、結局三澤さんに頑張ってもらう事にしました。
[三澤秋]
この曲、つかささんには「Starlight Visionの前に入ります」とだけ伝えてあとは自由に作っていただきました。どんな曲が来るかなーと思ったら熱く激しい曲調でびっくりした記憶があります。
そんな曲につけるタイトルといったらこれしか思い浮かびませんでした。Blaze、懐かしい響きです。
13 Starlight Vision(09 Rearrangement) /六十年目の東方裁判 〜 Fate of Sixty Years/東方花映塚
[Tsukasa]
記念すべき初ボーカル曲という事で強く記憶に残ってます。最初に収録した際は、ハモリが低すぎて歌えなくて急遽当日考えたり大変でしたが色々と勉強になりました。
なお、再録にあたり、ハモリは作り直してます。
[三澤秋]
初めて同人で歌った曲(それ以前も1曲しかないですが)。初めての作詞。そして東方との出会い。初めてづくしな曲でした。まさかこんなにハマってしまうとは思いもよりませんでしたね。当時歌ったままを収録するか悩みましたが、一番昔の曲を一番新しい自分たちが再度作ることに何か意味があるのではないかと思い、リアレンジの運びとなりました。
Illustrator
[深崎暮人]
ジャケットイラストを担当させて頂きました深崎暮人と申します。三澤さんからの指定というか要望は「霊夢が好き」というだけで今回は自由に描かせて頂きました。実際、作業に入るにあたり星影の天の原というタイトルを頂戴していたのでそこから連想される情景を大事に。収録される楽曲、そして原作を限りなくリスペクトして描いたつもりです。また、三澤さんと知り合うきっかけになった「Starlight Vision」にもシンクロさせる形を取りました。僕としても感慨深く仕上がりがとても楽しみです。このコメントを読んでくださってる皆様も是非お手に取って頂けますと幸いです。
Designer
[Tomoyuki "tats" Arima]
三澤さんは作詩の人でもあるので、CDの文法に添いつつ、音だけではなく言葉も大切にすることを念頭におきつつデザインしました。自然と、歌詞を縦書きにした構成、書籍のようなレイアウト、印刷された紙に対する文字の質感が決まっていきました。結果として、三澤さんの人柄のようなものに少しでも近く作れたのではないか…と勝手に考えております。是非、歌詞カードを眺めながら楽曲を楽しんでみてください。
そんな境界のあいまいな曲をお願いしますと無茶な注文を、あっさり頷いて素敵な曲に仕上げてくださいました。
オリエンタルなメロディがオリエンタルなアレンジをされて、でもどこか異国のようなこの曲が大好きです。